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第42話 Feria del Agricultor (フェリア)朝市 その3
 この数年で変化したことが一つある。朝市に、何軒か台湾人か中国人の店舗が出るようになった。アンパン、クリームパン、メロンパン、豆腐などを売っている所、アジア人好みの八百屋、海老や肉まん、揚げ物類を作って売っているおばさん。私たちアジア人には大変ありがたい存在だ。以前はアジア人好みの野菜はあまり売られていなかった。わかりやすい例を挙げるとキャベツ。コスタリカのスーパーで売られているキャベツは、プラスチックのように硬くて厚く、千切りにしても日本のもののようにシャキシャキしない。野菜炒めにしても、なんか硬く野菜の旨味がない。台湾人が作っているキャベツは、日本で売られているのと同じで柔らかく、かつ、千切りにするとあの新鮮なシャキシャキ感がある。その他、日本のものと同じキュウリや、他のスーパーなどでは売っていない中国野菜があり、週末は食事のメニューが豊富になる。

  一人、口のうまい商売上手な台湾人のおばさんがいる。笑顔を絶やさず感じがいいのだが、うっかり彼女の愛想のよさと口のうまさに釣られると必要のないものまで買ってしまう。彼女はエスカレートすると、日本人の誰々がこれが美味しいと言っていると、実名入りで説明し始める。あの人が美味しいと言っているのなら、日本人好みの味なのだろうと買ってしまう、日本人の心理をうまく突いている。ただ、たくましく商売繁盛を願ってのことなのだろうが、毎週の買い物だ、必要ない時は、こちらも今日はいらないことをはっきり言うようにしよう。

 値段を比較してはいないのでどうかわからないが、とにかくたくさんの人たち、例えば近くに朝市がない人は、遠くからでも買いに来ている。スーパーより新鮮なのは間違いない。卵もスーパーのものより黄身がもっこりとしている。スイカは丸々一個買っても900コロン(2ドルちょっと)で、新鮮で甘い。毎週行っても、特に目新しいものがあるわけではないが、毎回同じお店で同じ物を買う。アンパンを売っている台湾人夫婦はとても朗らか。先日、息子さんも店番をしていた。年を聞いたら17歳で私の子供と同じ。そしたらおばさん、私たちも同じ世代、ということだろう、「私たちもまだ若いね、アハハハ」

 お陰で、私たちは土曜日の朝も寝坊ができない、健康夫婦だ。
 

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