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第10話 運転免許が欲しい その4
 「スペイン語で書かれた試験問題で、70点も取れたなんて大したものよ」と、友人にも励まされ、立ち直りの早い私は「そうよね。80点で合格なんだから、今度はきっと受かるわよ」と気分を奮い立たせて、今度は何度も何度もテキストを読み返し、次の週また受験申し込みに並び、そのまた次の週の火曜日の同じ時間、再度試験に臨みました。

 ドキドキしながら開けたテストは、幸運の女神が微笑んでくれたのか、なんと前回と全く同じ問題でした。たまたまいくつかある問題のパターンの中で、ローテーションがまた回ってきたのか、もともとこの問題しか用意されていないから、前回、取った点数しか見せてくれなかったのか、何はともあれ、学生時代に塾などで以前やったことがある問題が本番に出てきて「やったー、これならわかる」と落着いて、ペンを動かす手も軽やかに答えを書いていったように、1回目よりははるかに楽に問題を解いていきました。なんか、全国統一模擬試験を受けているみたい。でも、2問だけどうしてもテキストとは違った表現をしているのがあり、そこだけは自信が無く、まただめかしらと不安を感じながら、名前を呼ばれるのを今か今かと待ちました。そして、同じくチラッと見せられた点数は、90てーん。

 帰ってきた子供たちに「90点で合格したよ!」と言ったら、「えー、勉強しているように見えなかったのに、すごい!」「へん、こんなもんよ」と胸を張ったものの、「あー、よかった。子供は2人とも、英語とスペイン語の中で頑張っているのだもの。親の面子がつぶれずに済んだ」と、喜びと安堵感が一緒にわきあがってきたのでした。

 次の週、「あんた、ペルミソ持っているか?」と聞かれ、目がクラクラしたそのペルミソなる「仮免許の紙」を受け取りに行きました。免許そのものを受け取れたわけではないのに、これで晴れて路上運転が堂々とできるお墨付きをもらえたわけで、「本物はもうそこまで、手の届く所にある」そんな気持ちで一杯でした。さー、後は実技練習。

頭はちょっと悪いが、運動神経はまだまだ若いもんにゃ負けないよ!!

つづく

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