小学生のときに習う社会科で北海道の小樽と北洋沿岸交易とが結びついているのは私だけではないと思う。高校生時代、小樽にある大学にあこがれていたこともあり、この町へは一度は訪ねてみたいと思いつつまだ果たしていない。
旅行雑誌に北海道は蟹が美味い、鱈がおいしい、イカの刺身はとろける甘さとある。これら雑誌を見るたびに行きたいと思う。
頭の中での小樽は交易船が港で錨を降ろしている画面である。小樽の錨である。荒れ狂う北の海は決して登場しない。実際に見たことがないからであろうか。
若い時からあこがれていたコスタリカに住むようになった。小樽とは大違いである。その憧れの国での話。
滞在しているホテルにキューバから来ている女性コーラスがいる。その中の一人が「川の流れのように」を日本語で上手に歌う。スペイン語と日本語の発音はよく似ているのでちょっと気をつければ「ウーン上手い」となる。我がホテル「Hotel Herradura」は「オテル・エラドゥーラ」の発音となる。「H」は発音しない。
当地で初めてクリスマスを過ごして知ったことだが、クリスマス賛歌と同時に「蛍の光」もよくラジオから流れている。この歌はもともと年越しに歌うイギリスの民謡とか。折も折、「北の国から」をビデオでえらく感動、そのなかで卒業式の場面があり「仰げば尊し」「蛍の光」を久しぶりに聞いた。そんな時だったので「蛍の光」を鼻歌していたらキューバの女性が日本語で歌いたいと言う。日本語歌詞をローマ字で分かり易く綴って渡した。
翌日一生懸命覚えてきたのだろう。歌ってくれた。「おたーるの、いかーり・・」、なんと、小樽の錨であった。途端に、北海道の小樽へ行きたくなった。魚介類を食べに。 |