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「ジャングルの歩き方」
 先日、東京から友人夫婦がここコスタリカに遊びに来ました。良い機会なのでと、家内と一緒にくっついて3日ほどツアーをしました。私自身はコスタリカに約2年半ほどおりますが、観光地名所のたぐいのところへはほとんど行っていないのであります。これまでに行きました所はせいぜい、テアトロ・ナショナルくらいでしょうか。テアトロで5コロン紙幣の裏絵になっている天井画をみてコスタリカコーヒーの歴史を想像しながら外へ出たら、5コロンの新札を1ドルで売っておりました。銀行は紙幣が新札であろうが、くたびれたお札だろうが、紙幣価値でしか取引をしない処ですから、5コロン紙幣を1ドルで販売している露天商?は約60倍で売ることになります。お札を商売にするのは最も具体的で利益が算数で出てきます。これが商売の原点と自分で納得したのを記憶しております。
 申し上げたいことから外れて来ました。少し戻します。

 ご存知のとおり、コスタリカは日本から実に遠い国とその友人達も実感した様です。
 NY、ダラスなど直行便で来れるところは飛行時間が少々長くとも平気でしょうが、そこから、もう一飛びと言うのが長いしキツイと誰もが感じる言葉を発しておりました。
 これから先、航空機が更に発達し、時間地球がもっと小さくなっても条件は同じですから、地理的なものはどうしようもないわけです。
 今回、ツアーで行きましたのは、コスタリカ国土の約28%が国立公園とか自然保護区と聞いたことがありますが、この内、ポアス火山、サラピキ、ケポスですから、まさに、「点」でしかないのです。 しかし、何処へ行っても「ポアス饅頭、サラピキせんべい」の類いもなく「静か」でした。日本からもし団体さんが来たら寂しい思いをするかもしれません。
 ポアス火山へは皆さんいらしゃってるからご存知と思いますが、駐車場から展望台までの7−800メートルの遊歩道に貸しカートがありました。ゴルフ場で良く見かけるバッグ専用のカートに毛が生えたようなもので、結構需要もあるようでした。あのトロトロカートが行き来できると言うことは舗装はされているに違いないとサンホセ近辺の道路のまずさにヘキヘキしておりますので、先ずこれを連想しました。そのとおりでした。ヤりゃ出来るじゃんでした。
 次に何を連想したかと言ったら、こんな状況が日本であったら、道交法車両法で取り締まるかナーでした。皆さんはどうお思いでしたでしょうか。
 ツアーの中でも楽しみにしていたのは川下りとジャングルの中を歩くこと。川下りと言っても急流下りのRAFTINGなどではなく、流れに任せて平安朝風にゆらゆらと下りながら、鳥、動物類を観察するもので、同行のガイドが実に良く見つけるものです。そこここでこれまでに見たこともない鳥とか、ナマケモノなどを見せてくれました。傑作だったのは木の幹に蛾のように貼りついており、あたかも木の表皮にしか見えないコウモリを「あそこだ」と言われても「どこだ、どこだ」の繰り返しでした。
 それから、次の日だったでしょうか、森の中へゲートから入ったのが9時か10時ころで、1時間過ぎてもまだ1キロも進んでないくらいの速度でして、ここでもヘリコプターのように見えるトンボとか鳥などを探し、見せてくれました。そのたびに鳥獣図鑑のような厚い図鑑を取り出してあそこの鳥はこれと講義してくれました。

 サルが一匹木の上を渡って行き、ちょっと先に行った所で吼えました。そしたら、ガイドが「危険物発見、待機されたし」と後続の仲間に連絡しているのだとここでも講義をしてくれました。最初に見たサルは斥候兵だったのです。実に良く知ってました、あのガイドは。
 そうこうしてると反対側の入り口から入ったと言うドイツ人とガイドに会いました。ドイツ人はかれこれ4時間ほど歩いているが、5種類ほどの生物しか見ていないと言いながらスタスタと去ってゆきました。私共のガイドはポツリと言いました「あれではみんな逃げてしまう」と。
 自然の中の動物達は天敵に襲われないような仕組みになっておりますから、それを見極めて観察するのが良いようですが、我々素人にはできるこっちゃない。良質のガイドに連れて行ってもらうのがベストではと思うに至ったしだいです。

 皆さんの中で、これからあそこへ行きたい、こちらを見たい、あるいは、日本からのお客さんを案内したいと考えてる方々には只今申し上げましたように、良質のガイドの同行をお勧めします。ホテルに帰っても、あるいは、日本へ帰っても「楽しかった」の感激が残ります。今日ビ、「斜」に構えている人が多い世の中ですが、このような感激が重要なのではと思っております。

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