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「回帰線」
 地図や地球儀を丹念に見るのは面白い。何かしら新しいことが見つかる。ソ連邦が崩壊したら急に独立国の数が増えた気がした。

 赤道付近に目を向けると南北回帰線が見える。地図ではまっすぐ水平な赤道線も地球儀では地軸の分だけ傾いで見える。その赤道を挟んで南北23.5度付近に点線で表示されるのが通常のようだ。地動説かどうか知らないが太陽は回帰線の間を一年かけて行ったり来たりしている。「南北回帰線に届いた時が冬至(The Winter Solstice)であり夏至(The Summer Solstice)と言う」は北半球の言葉・語彙である。我々は何の疑問もなく「冬至」「夏至」と使い、地図を書くときは北が上に来るように書くことを習った。

 南半球の人びとはどんな言葉・語彙を使っているのだろうか。一度オーストラリアで発行された地図を見たことがある。南が上に来ていた。蟹の甲羅形をしたオーストラリアも逆さまに見ると蟹ではない。ジャガイモに見えた。日本も逆さまに見ると何処の国かと見まちがう。

 北回帰線の南側にあるコスタリカに住んでみて実感したのだが、南北回帰線内にある国々では一年に二回太陽が真上を通ると言うことだ。つまり自分の影が無くなる時が二回あることになる。

 それともう一つ気が付いたことは、北へ行けば行くほど、南へ行けば行くほど、太陽が沈みそうで沈まないとか、陽が出そうで出ずに夜になるとかと聞いたことがある。ここでは日の出、日の入りの時刻が年中ほぼ同じ時間であることと日の出から日の入りまで概ね12時間であることである。日没の早いことと言ったら本当に早い。正にスルスルと沈む。

 スルスル沈むのを眺めながら、陽が海に沈む瞬間の「グリーン・リング」と言われる現象を初めてみた。ほんの一瞬だが実にキレイとしか形容できない。フロリダのタンパやキーウエストでも夕日を見たがこんな現象は見えなかった。このコスタリカあたりでしか見えない自然現象かもしれない。だとしたら、一度は見てみようと思うのは人の常であろう。今度、グリーン・リング観察旅行でも企画しようか。

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