約千年前のNew York TimesだかWashington Postだかが発見されたとのニュースがあった。藤原道長が不倫をし弾劾されているとか、中国の文化がより進んでいるから、西洋諸国は見習わねばならないとかの記事があるとのこと。約千年前に地球をぐるっと回っての記事が出ているのに驚いた。
千年も前のことを想像するのは楽しいことだ。記者が日本で取材したのだろうか。当時文明の中心であった中国での取材であったのだろうか。その伝達方法はどんなものであったのか。小さな島国から海峡を越え朝鮮半島を縦断、アジア大陸ーヨーロッパ大陸を横断しさらに大西洋を渡ってのNew York、Washingtonである。記事は何かに書きつけられてありそれが運ばれたのだろうか。その何かとは何だろうか。News Paperと言うのだから紙か。その頃には山賊海賊類は出なかったのだろうか。たまたま山賊海賊にも出会わず、しけにも遭わずニュースが届いたのだろうか。これらの疑問もさることながら、当時の人びとは極東の島国のニュースを意識して読んだのだろうかの思いがある。
コスタリカに住んで、解かったことがある。日本のニュースはほとんどこちらの新聞に出ないのである。インターネットで日本の新聞を見ると、ことコスタリカの記事はお目に掛からないから、これはアイコかもしれない。読まれなければニュースにならないのである。意識し合わなければ不倫だろうがなんだろうが読まれることは無い、つまり、ニュース性は無くなる。
先日、東京へ出かけた際、皇太子妃ご懐妊のニュースを電光掲示板で見た。翌日の朝刊を見ていたら、外国の通信社が配信したのは記者発表後１分後であったと言う。打電したその記者がNew York TimesかWashington Postの方だったら面白い。その記者が千年前のあの記事を読んでいたら更に面白いのに。
小さな現象から世界を想像して見るのも楽しいものである。皆さんもどうぞお試しあれ、と言いたい処だが、御賢察とおり、千年前にはNew YorkもWashingtonも存在していないのである。 |
