そうなんです。コスタリカの住所には番地がないのです。いったいどうやって手紙を送るのか?
答えは、P.O.BOX(私書箱、スペイン語ではApartado Postal)です。個人でこの私書箱を持っている人もいれば、会社の私書箱を家族で使用する人もいます。 手紙はよいとしても、ピザやハンバーガーの出前はどうするの?また、新聞配達などを頼む時は?アパート、コンドミニオ(マンション)等は、名前がついていたりするのでまだいいのですが、 一軒家ではどうするとお思いですか?
地域名−最寄りの目印となる建物など−南北何メートル−東西何メートル−家の色−左右どちら側かとまあこんな感じで場所を説明するのですが、誰でも一つ、一番わかりやすい住所の説明の仕方を持っているのです。もっとよくわかっていただくため、新聞、雑誌に載っているいくつかの例を挙げてみましょう。
1)Esquina Noroeste de La Sabana La Sabana
(公園)の北西側の角
2)200m estey 150m suroeste de la UNED, carretera a Sabanilla
サバニジャへ向かう道沿い、UNEDから200メートル東、150メートル南西
(UNEDとは何かのビルの名前でしょうか?)
3)San Pedro, 225m sur de la sucursal del Banco Nacional
サンペドロにあるナショナル銀行支店の225メートル南
(銀行の支店がすぐわかるのかしら?)
4)Rohrmoser, del Parque La Amistad, 100m oeste, 100m sury 50 moeste
ロモセルにあるAmistad公園から100メートル西、100メートル南さらに50メートル西(まず、この公園を見つけるのに苦労するでしょう)
この4つの例を見ただけでもおわかりのように、東西南北がキーワードなのですが、いきなり方角を言われても見知らぬ土地だと????でも、もっとわかりにくい表示もあるのです。
「旧xxx病院跡から何メートル」と言われても、その旧xxx病院があった場所や、かつ、それが昔病院だったことを知っている人ならわかる話なのですが、初めての人に言われても困るわけです。これは、実はコスタリカ人同士でも同じこと。コスタリカ人の友人が、そのことを話題にして笑っていました。
ビルなどの建物を探すのははまだわかりやすいのですが、個人の家となるとなかなか・・。日中なら回りの様子や家やガレージの色なども識別できますが、夜になると照明は暗いし、目印になるものが住宅街では少なく、とても難しくなります。
子供の友人宅に呼ばれて行く時も、地図を書いてもらったり、電話で話してもお互い外人同士だとよくわからなかったりするので、そんな時は近くまで来たら携帯電話で聞きながら 行ったりしています。磁石必携の、まさしくオリエンテーリングの世界なのです。
このように、住所がアバウトなので、初めて友人宅を訪問する時は「ここかしら?」と、宝捜しをしているようにドキドキしながら、インターホンのボタンを押したりします。これは、ピザの宅配便や電話で呼ばれたタクシーでも同じこと。近くに来ると「私を呼んだのはどなたですか〜?」とでも言わんばかりに、近くまで来たらクラクションを鳴らしながら、お客が家から顔を出すのを待ちます。
この国の住所に番地が付くようになる日は来るのでしょうか? |