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第13話 運転免許が欲しい その7 完結編
 実技試験の前日、サンホセ中心部にある、免許証交付先であるMOPT(Ministerio de Obras Publicas y Transportes)のビル近くの、いかがわしい雰囲気の白衣を着たドクトール(医者)がいる場所に行く。そこでまず健康診断らしきことを受ける。なぜか血圧を測り、斜め横からの視力検査で何とも適当。ドクトールと少し世間話をしてチェック終了。わずかな金額を払い「Informe del Medico Examinador」なる診断書をもらう。それを見てみると、聴力は左右それぞれノーマルとある。聴力検査は特にしていないが、会話しただけでOK。

 いつものごとく天気は快晴。自分の愛車で臨む実技テストの日がとうとうやって来た。助手席に試験官が座り、私の緊張なんて何のその、「Vamos バモス=さぁ、行きましょう。」一番苦労した発進はまずスムーズ、張り切って2速、3速へと加速していくと、試験官「Despacio, Despacio (デスパシオ=ゆっくり)」「え、加速しなくていいの?」2速に戻し、ゆっくり走行。試験官「はい、右にターン」右に曲がると、そこには左右2列、等間隔に並べられたオレンジ色の円錐(コーン)が。「はい、ジグザグ運転」「ゲッ、そんなこと練習していない。そういえば、サバナ公園でコカコーラのペットボトルでこの練習していた人がいたわ。どうしよう。」緊張のあまり、ここでエンスト。また、エンスト。2回もエンストをしてしまった。「どうしよう」試験官「Tranquila トランキーラ=落着いて」その言葉に助けられて3回目に発進し、「倒れないで、当たらないで」と念じながらハンドルを回す。何とか終わる。穴ぼこだらけの道を走ったので、ハンドル操作はうまくなったのかも。「はい、今度はコーンの間をバックで戻って」「ゲッ、これも練習していない。真っ直ぐバックできるかしら」主人に言われたとおりに、まず右手を助手席にのせ後ろを見る。エンストさえしなければ大丈夫と、ゆっくりクラッチをつないでバック。

 その後は、同じく2速であたりを回り、いつのまにか元の場所に戻った所で終了。無口な試験官から渡された用紙に書いてあったのは86点。あまり良い点ではないけれど、なんとか合格したようです。ペーパーテストに比べ、なんとあっけない実技テスト。皆が「Facil ファシル=簡単よ」というのも頷ける。

 次の朝、MOPT内にある銀行の列に並んで必要な金額を払い、次に写真を撮るための列に並ぶ。その列が実に長く、建物の外まで並んでいた。待っている間、ちょっとしたスナックや飲み物、新聞などを売りに来る人がいて、買って腹ごしらえする人も。いくつかカウンターがあるけれど、担当者がいない窓口もある。トイレだろうか、休憩か、いずれにしろ、こんなに並んでいるのだから、代わりの人が来ればいいのにと思ってしまう。自分の番が近づいてくると、何をするのかわからないので前の人たちのしていることをじっと凝視。周りを見渡すと、上のほうに電光掲示板があり、「(指紋採取のため?)右の人差し指をのせるとか、サインをするなどとの指示が流れている。確かに、皆そのようなことをしているようだ。撮影用の水色のスクリーンをバックに、皆、爽やかな顔でカメラに向かっている。

 自分の番が後10人ほどという時、自分の顔が気になりだし、次の人に、トイレに行きたいので順番を確保しておいてもらえるようお願いして、トイレへ。髪にブラシを通して(準備のいい私)どんな表情でカメラに向かおうか、笑顔をチェック。さて、いよいよ私の番。サインをして、指を置いて、皆と同じように少し微笑んでカメラの方を見る。担当者に「Linda!リンダ=美しい」と言われて見たPC画面上の私は、とてもうれしそうな顔をしていた。「あそこのカウンターで名前を呼ばれるから」と言われて待つこと数分。私の手の平に、コスタリカの国旗、海とマングローブの映像をバックに、自分の顔と名前が書かれたホッカホカの免許証が。

 約半年もかかった、念願の運転免許取得までの長い道のり。うれしくてうれしくて、しまっては出し、しまっては出しを繰り返して眺めてしまった。でも、一番喜んだのは、「妻がスペイン語で免許を取った」と、友人たちにうれしさのあまりメールを送っていた主人かもしれません。

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