こんな風に、陽気で可愛く憎めないのだが、一つ困ったことには、平気で予約をキャンセルしてくる。自分が風邪の時はまだしも、疲れたとか、昼休みに子供とアイススケートに行って（コスタリカにもアイススケート場があるそうです）、転んで右頬を打ってきついからと言ってきた時もあった。先日なんてもっとひどい。木曜日に予約していたのに、前日の水曜日になってキャンセルしてきた。その理由が、明日からビーチに行って一泊してくるから、土曜日の午前中にしてくれないかと言うのだ。今までの経験で、ビーチから帰った翌日なんて彼女のこと、絶対に「疲れた」と言って土曜日もキャンセルしかねない。だから、頑として私はその日（水曜日）に診てもらうことにした。
私の治療をしている間、アシスタントが、翌日と翌々日の予約のキャンセルの電話をしていた。気の毒なアシスタント嬢。仕事なんてそっちのけで、家族との娯楽を優先する女医さん。コスタリカ人なら彼女のドタキャンも気にならないのだろうか。何も平日に行かずに、週末行けばいいのにと思うのだが。混む週末を避けたのかな。
そんないいかげんな所もあるが、なぜか憎めないドクトーラ・アリシラ。年齢も近いから、お互い、着ている服やバッグのことを誉め合ったり、美容の話などする。目をつむり、口をあけて治療してくれるのを待っていたら、なかなか口に彼女の手が来ない。目を開いてみたら、まじまじと私の顔を見ている彼女の大きな目と会った。
「白髪が増えたわね。」
大きなお世話よ。 |
