さっそくスーパーは要求を呑んでくれ、「吊り目の美人モデル」の写真は、テレビ、広告写真から跡形もなく消えた。ところが、週一回発行の英字新聞にそのことが掲載されても、残念ながら、大々的に現地新聞に取り上げられることはなかった。大手スーパーが出した広告の美人モデルの写真が突然消えたのだから、大衆から疑問の声が出て、そこからこの問題が取り上げられ、人権問題まで発展してもおかしくないはずなのに、コスタリカではそうでもないのだろう。
その証拠に、サッカーワールドカップの最中、日本や韓国のことが報道され、日本食がやっとブームになり日本食レストランが増えたにも関わらず、今も以前と変わらず「チノ」「チナ」と呼ぶ人は絶えない。先日も、あの歯医者から帰る時、彼女の4歳になる一人娘が私に向かって言ったのが「Adi耀 China. さよなら、チナ」。何度もその子に会っているが、私に「チナ」と言ってきたのはこの時が初めて。その時はもう、ドクトーラは次の患者を診ていたので、後日そのことを話したら「それはいけない。貴女の言う通り、これは悪い習慣ね。」と、メイドに向かって、「今度そんなことをあの子が言ったら、やめさせるように」と注意していた。メイドに注意するのではなくて、母親である彼女が気を付けるべきなのに。ドクトーラがそんなことを娘に教えているとは思えない。やはり、幼稚園などの集団生活から子供は覚えてくるのだろうか。
この問題は、この地域での長い間続いている口癖のようなもの。まだまだ、M女史の戦いは続く。 |